11月。
年賀欠礼を知らせるハガキで、知人の他界を知った。
差出人はご主人だった。
歳も近くて、
年賀状だけの繋がりではあったけど
それでも毎年一度のやりとりが楽しみであり励みになっていた、素敵な働く女性。
今から10年前、まだ写真を撮り始めたばかりの私は
母の庭の花を写真に撮ってはホームページにアップしていた。
そんな私の撮った写真をインターネットで見つけて、取材をしたいと連絡をくれたのが出会いだった。
当時N●Kの制作ディレクターをしていた彼女は
自分が担当するガーデニングの番組で、母の庭を取材に来てくれた。
30分足らずの番組コーナーのために、何度も何度も足を運んで話を聞いて、
母の思いを汲んだとても素敵なシナリオに仕上げてくれた。
その番組は録画保存されて、我が家の大切な宝物になっている。
* * *
先日、お誘いを受けて覚王山で行われた
参道ミュージアムというアートイベントに参加した。
展示したのは私の原点でもある母の庭の花たちを主役にした作品。
展示が完成して、心の片隅で、彼女に見てもらえるといいなと考えていた。
そのイベントが地元N●Kのニュースでも採り上げられたのだけれど、
私の作品を大きく写してくれていて、解説までしてくれていた。
もしかしたら彼女が気付いて採り上げてくれたのかな?なんてちょっと思ったりしていた。
でももう彼女はいなかったんだ。
取材に訪れた際に、彼女が病気を抱え闘病しながら仕事をしていることは聞いていた。
でも毎年律儀に送られる年賀状には
彼女が治療に専念しながらも元気に過ごしているようすが記してあって
今年の年賀状も変わらず届いていて。
一日胸がぎゅっとしたまま
彼女と彼女の人生について(そして彼女のご主人について)思いながら過ごした。
・・・庭の花たちは元気だよ。
今年もたくさんきれいな花を咲かせているよ。
いつでも気が向いたら庭の花に会いにきてね。
あなたが美味しいと喜んで飲んでくれた果実酒、ユスラウメは枯れてしまったけれど
かわりにアンズの実がなって、とても美味しいジャムができるから。
camera: LOMO LC-A *film @多治見修道院*私も参加しています*
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日本赤十字社